漫画感想

・「ヨイコノミライ 完全版」きづきあきら 1〜4巻
環曰く「いろんなタイプの痛いオタクを1つのサークルに集めてみましたよって漫画」だそうな。なるほど。漫画の薦め方が下手な環さんにしては分かりやすいw 漫画としてとても面白かったんだけど、本格的に始まったのは社会人になってからという晩成型ヌルオタの俺には、この漫画の「痛さ」がいまいち理解できなかったりする。どうしてもこの世界の「内側」に感覚を共有できず、「外側」から動物園を見るように眺めてしまう感じ。まぁ元々そうやって漫画を読む事が多いタイプなんだけど。そういうのもあって、俺には「げんしけん」のが肌に合うのかなぁ。あのヌルさはとても心地良い。
あと、天原は本気で痛いなぁw コイツだけは身近に居て欲しくないね。

・「勝手にジャンキィロード」萩原玲二 1〜2巻
きまぐれオレンジ★ロード」をオマージュした作品らしいけど、ごめん、元ネタを知らないんだ…。でも正統派ラブコメ×麻雀っていうのは、これはこれでいいと思うよ。竹書房コミックスのくせにジャンプ装丁をパロったりしてるのもえらい。いかんせん全体的に「古い」のがちょっと残念だけど。
考えてみりゃ、あらゆるジャンルの漫画と強引に混ざり合う麻雀漫画という特殊ジャンルだけど、正当派ラブコメとの組合せはあまり無いのかな?少なくとも俺が知ってるような最近の作品では。「咲 -Saki-」は百合だしなぁw

・「天牌外伝」来賀友志+嶺岸信明 12巻
たった2話で人情モノとしてまとめ上げるこの漫画に、ストーリーを都合良く進めるための「偶然の再会」は付き物なのだが、知り合いの妹がピンポイントで学生証だけを落として行くのにはさすがに苦笑いw
※12巻の名言:『オブラートくん』 この言葉を聞いて、スイーツ(笑)の麻雀漫画版みたいな印象を受けたんだけどw

・「凍牌志名坂高次 3巻
畑山のキャラクターとしてのあまりのハンパさに逆に驚いたが、連載の方でちゃんと再登場したのでなんとか安心。とはいえ、どうも強烈なモノがないんだよなぁ…。連載が終わって1年もしたら名前を言われないと存在を思い出さないかも。だから単行本を買ってるのかもしれない。

・「涼宮ハルヒの憂鬱」原作:谷川流+漫画:みずのまこと+キャラクター原案:いとうのいぢ 5巻
ツガノガクは漫画がヘタなんじゃないかという疑問を抱きながらも、アニメにはならなかった部分やオリジナルストーリーを見たくてついつい買い続けてしまっている俺はハルヒ厨w 正直、買わなくていい理由があれば買いたくない、スクランと同じ状態。誰か助けてw

・「東大を出たけれど」作:須田良規+画:井田ヒロト
さんざん本家ブログでベタボメしてるので省略。http://blog.livedoor.jp/inoken_the_world/archives/51201699.html

・「センゴク宮下英樹 7巻〜14巻まで
金ヶ崎撤退戦の壮絶さはアツかったなぁ。そして、普通に歴史を学んできただけでは良い印象の持ちようが無かった明智光秀がこの漫画ではイイ味出してやがるよ。あとはお蝶があまり出てくると面白くない気がするんだが、これからどうなるだろうか。個人的にはあくまで「センゴクの目標」であって、あまりこの壮大なる戦国物語にこの娘っ子が絡んできてほしくない。スクランの烏丸と一緒?w  勝ってても負けててもセンゴクの戦はとにかく面白い。小谷城虎口攻め編はちょっと勢いだけで突っ走っちゃってる気もするけど。

・「Kiss×sisぢたま某 1巻
残念ながらこれぞまさに「ネットで過大評価の漫画」と言わざるを得ない気がする。別に特別つまらないとまでは言わないけど、なんつーか「これ読んでおっきするくらいなら最初からエロ漫画読んどけよ」って感じ。「ToLoveる」のようにライトなエロではなく、やってることはほとんどエロ漫画のノリなんだから。

・「サラ忍マン」新田たつお 1〜3巻
1巻の表紙及び第1話冒頭の戦いのあまりのくだらなさに思わず購入。ストーリーを説明しよう。なんかね、一子相伝の暗殺忍法の使い手である忍者が、たまたまひき逃げの現場に出会ったサラリーマンに成り代わって平凡な日常生活を追い求めようとする話。いちおう体裁はストーリー漫画なのかもしれないが、これは確実にギャグ漫画。たぶん作者も意識してるだろうが、所々「これは笑わせようとしてるのか?それとも真面目にストーリーを進めようとしてるのか?」と判断が付かなくなるので困る。意外と面白かったよ。ただ問題は、「わざわざ買ったところで読み返す気はしない」ってことだろうかw

・「ギャンブルフィッシュ」原作:青山広美+作画:山根和俊 1〜3巻
この漫画の面白さについてはいまさら俺が説明するまでもないだろう。個人的に素晴らしいと思ったのは「ポーカー勝負で刺したバラの真の意図」と「イカサマキューがバレるのを回避」。こういう「真の狙いを隠した派手な行動」とか「咄嗟の危機回避」とかは見てて惚れ惚れするね。

・「天牌」原作:来賀友志+作画:嶺岸信明 41巻
41巻の見所は「なぜかジョギングに行く北岡先生」「久しぶりに登場しても、雀荘の場所を聞いただけの主人公」「これだけの猛者に囲まれても、俺は今でも八角さんが最強の打ち手だと思っている」。特に、八角さん最強説は「ねーよwwwww」と突っ込まずには居られない名言。

・「エルフェンリート岡本倫
単行本トビトビだけど集めてる。ところで、単行本に連載作以外の短編を収録するのって青年漫画や少年漫画では珍しいよね。少女漫画に多いイメージ。まぁ人が死んだち戦ったりしなけりゃ少女漫画ととれなくもないか…。そうすると内容が2割くらいに減っちゃうけどw

・「皇国の守護者」原作:佐藤大輔+作画:伊藤悠 5巻
うーん、なんという「第一部完」…。そんじょそこらの「第一部完」と違うのは、打ち切りの原因がアンケートの不人気ではないということか。戦闘をしていない5巻でも普通に面白いのにねぇ。もったいないわ。

・「ONE OUTS甲斐谷忍 2〜4巻
以前(http://d.hatena.ne.jp/inoken0315/20070930)に1巻の感想を晒したら、aaaとかいう名無しさんに全力で説得された。4巻までは絶対に読め、と。それを素直に信じて読んでみた。俺は今、この名無しさんに全力で感謝したい。もしこのコメントが無かったら、もしかしたら俺はこの漫画を読まないまま一生を終えていたのかもしれないのだから。語彙が貧弱なので表現力が無いが、とにかく心の底から面白かったと言える。たしかに1巻はまだ滑り出しで、2巻以降「これは読み続けてもいいかも」と思えてきて、そして4巻へ。最高の野球漫画でもあり、そして最高のギャンブル漫画ではないか。こんな野球の駆け引きがあったのか、と感動した。
ちなみに名無しさんは「4巻の試合内容の予想はほぼ不可能」と言ってたけど、子供の頃野球の特殊ルールや珍記録マニアだった俺には予想が出来てしまいましたw ドカベンの俺が選ぶベスト試合は2年夏の白新高校戦(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%AE%E7%9B%B2%E7%82%B9%E3%81%AE1%E7%82%B9)。好きな野球漫画のキャラは殿馬一人と与那覇わたるですからね。こういう「一流には及ばない身体能力を頭脳とテクニックでカバー」みたいなキャラ大好きw 放棄試合の際の個人記録の扱いやスコアなんて余計な知識を持っていた自分が恨めしい。とはいえ、そんなのは些細な事。そこへ至るまでの駆け引きもとにかく素晴らしかった。「時間を奪い合う」ために様々な反則技を出し合う様子は凄かったね。この野球の常識の裏をかくような駆け引きは、麻雀漫画「バード」に通じるものを感じた。「野球漫画でギャンブル」と最初聞いたときは、結局は「打たれるか打たれないか」のなんだかんだで単純な勝負になると思っていたが、まさかここまでのものとは思わなかった。5巻以降も楽しみにしたい。