「感想」だとか「批評」だとか

「サイト読者のことを念頭に置かないと本末転倒になるよ、ということ。」

「感想」「考察」「批評」「ネタ」などと分類されていたけど、サイトやってるとこうやってハッキリ分類できるもんじゃないと思うのよね。私が毎号しつこく書いている「近代麻雀レビュー」は、個人的にはあくまで「感想」のつもりです。でも「この作品を読んでこう思いました」だけでは書き足りない時が多々ある。そうなると「ネタ」を仕込むこともあるし、闘牌などについて「考察」することもあり、時には「批評」をすることもある(まぁ各作品ごとに採点までしているので、その部分が「批評」に当たるだろうが)。感想を書いている以上は、ある程度の批評というのも避けて通れないと私は思うのです。もちろん「ある程度の」ですよ。作品を丸ごと酷評するくらいならたしかに書かなければいい。フランさんがネガティブな感想を書かないほうがいいというのは、以前の年末のやりとりの他に、「School Rumble」の件も絶対あると勝手に思っています。ネガティブな感想をネット上に書いて、それが他者に対してプラスに働くことはあまり無いということをフランさんも感じたのかもしれない。感想を書くというのは、ただ自分の意見を整理するような意味もあると思うので、ネガティブだろうがなんだろうが書いておきたいものなんですけどね。やはりネガティブな感想なんて書かないほうがいいのかもしれない。

でもね、そんなのは奇麗事なんですよ!
世の中には感想すら書かれないものがいっぱいあるんですよ。具体的には「近代麻雀」とか「近代麻雀オリジナル」とかね!こういう超マイナー雑誌についての感想を、面白い作品だけに絞っちゃつまらないじゃない!そもそも私は「近代麻雀」という雑誌全体を愛でているのですから。コラムやら下段の何切るやら編集後記やら広告まで、点数計算問題以外は一通り目を通しているんですよ私は。中にはちょくちょく微妙な作品もあるけれど、雑誌全体として近代麻雀の事が大好きなのですよ。
ほら、どんな大好きな彼女でも少しくらい「それはどうなの?」って所があるじゃない?私の場合は「近代麻雀が大好き」という大前提がある上で、「でもこのコラムはつまらなかったよ」って言いたくなっちゃうんですよ。好きだからこそ。それは「批評」というつもりではなく、私が思ったことをそのまま伝える「感想」。そして、こんな目立たない子にもちゃんと「感想」を書くことによって、存在を気付かずにいた人にも少しでも注目して欲しいという思いもあったり…。いや、これはこれで奇麗事なのかもしれませんけどね…。だから私は毎回こういう但し書きを付けています。

点数が高くても低くてもそれは万人共通の評価ではありません。できれば実際に近代麻雀を購入して、みなさんの目でどれくらいの出来か確かめてみてください。

後ろの文は赤字で強調してね。私が毎回しつこくレビューを書くことにより、それにいくらか「批評」が含まれていたとしても、雑誌を手に取るキッカケになってくれればと思っています。私があまり面白くなかったと言っても、「いや、私は面白かったよ!」って言って欲しいのです。逆にその人は面白くなかったとしても、私が面白かったと言っているのを見て「へーそういう風に見るのもアリか」と思って欲しいのです。もっと近代麻雀を意識して欲しいのです。はいはい奇麗事奇麗事。

「サイト読者のことを念頭に置かないと」という主題に戻ると、うちのブログの読者は、形はどうあれ「近代麻雀というマイナー雑誌のマイナー作品への感想」を望んでいるのだと思うのです。いくらかの批評や酷評があったとしても。「アカギ」とか雑誌中の有名作品についてはたまに感想があったりしますけど、それ以外の各作品とか読み切り漫画についてまでもちゃんと感想を書いているブログは、うち以外でほぼ居ない状況ですもんね。それこそ2ちゃん麻雀板の「近代麻雀つっこみスレ」くらいですかね。とはいえ2ちゃんは2ちゃんですからねぇ。名無しさんの書く「感想」は乱暴なものが多いですから…。もっとみんなも近代麻雀を読めばいいと思うよ!「近代麻雀オリジナル」なんて巻頭はもりしげ先生だし大和田秀樹先生の集中連載は絶好調だし施川ユウキ先生や三ツ森あきら先生のショートギャクも安定感があるし井上和広先生の読み切りも面白いし、いわゆる「オタク」の人もけっこう面白く感じるんじゃないかと思うよ!「東大を出たけれど」や「兎 -野生の闘牌-」のような麻雀漫画に馴染みの無い人はあまり知らないかもしれない隠れた名作も連載してるし、これをきっかけに麻雀漫画の世界にも少しだけ踏み込んでみようよ!単行本がなかなか出ないものばかりだから、雑誌を買っておかないと二度と読めなくなっちゃうよ!